社会保険って何?4つの保険を詳しく解説

はじめに

「社会保険って結局何なの?」 「給料明細から保険料を引かれているけど、なんで?」

こんな疑問を持ったことはありませんか?

社会に出ると必ず関わることになる「社会保険」。でも、学校では詳しく教えてくれないことが多いですよね。私も社会保険労務士として多くの方からご相談を受けますが、特に新社会人の方や、出産・育児を控えた女性の方から「知ることができてよかった」という声をよくいただきます。

この記事では、あなたの生活を守ってくれる「社会保険」について、イラストと共にわかりやすくお伝えします。あなたの暮らしにどう役立つのかを中心に解説していきますね。


社会保険とは?「もしも」のときの安心の仕組み

社会保険は、国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセーフティネットとして作られた制度です。

私たちはさまざまな「リスク」とともに生きています。

  • 病気やケガをして仕事を休むことになったら
  • 会社を退職したけどなかなか再就職先が見つからない
  • 仕事中に事故に遭ったら?
  • 老後の生活でお金が足りなくなるかもしれない

こうしたリスクを一人で全て背負わなくても済むように、社会全体で助け合う仕組みが社会保険です。


広い意味での「社会保険」は5つ

実は社会保険には、広い意味(広義)と狭い意味(狭義)があります。

広義の社会保険には、5つの保険があります:

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 介護保険
  4. 雇用保険
  5. 労災保険(労働者災害補償保険)

このうち、健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つを「狭義の社会保険」、雇用保険・労災保険の2つを合わせて「労働保険」と呼ぶこともあります。

今回は、求人情報などでよく見る「社会保険完備」という言葉で指される、4つの主要な保険に焦点を当てて解説します。


①健康保険 – 病気やケガのときの強い味方

🏥 どんな保険?

健康保険は、一番身近な社会保険と言えるかもしれません。
あなたが病気やケガをしたときに、医療費の負担を軽くしてくれるのが健康保険です。

健康保険の被保険者(被扶養者)であれば、医療費の自己負担は原則3割で済みます。残りの7割は健康保険が負担します。毎月のお給料から天引きされている健康保険料は、このための保険料とも言えます。

あなたの生活にこう役立つ

▼ 医療費の負担が軽くなる

  • 風邪で病院に行っても、数千円の医療費で済む
  • 高額医療費制度により、限度額を超える医療費の自己負担が軽減される

▼ 出産時の給付

  • 出産育児一時金として1児につき原則50万円が支給される(2025年9月時点)
  • 出産で仕事を休んだときの出産手当金が受けられる(2025年9月時点)

▼ 病気で働けないときの保障

  • 傷病手当金:病気やケガで働けないとき、給料の約3分の2が支給される

【ひとこと💡】 健康保険は、女性にとって特に心強い味方です。妊娠・出産時には大きな経済的支援が受けられます。「出産でキャリアが中断するのが不安」という方も、健康保険の給付を知っていれば、少し安心できるのではないでしょうか。


②厚生年金保険 – 老後だけじゃない!今も役立つ保険

👴👵 どんな保険?

「年金=老後のもの」というイメージが強いですが、老後だけではなく、いざというときに今のあなたも守ってくれる保険です。

年金制度は2階建て構造になっており、1階が国民年金、2階が厚生年金です。会社員として働き、毎月のお給料から「厚生年金保険料」が天引きされている方は、国民年金・厚生年金の両方に加入(被保険者)していることになります。

あなたの生活にこう役立つ

▼ 老後の安心

  • 国民年金(老齢基礎年金)は1人月額6万8,000円、厚生年金(夫婦2人分の老齢年金を含む標準的な年金額)は月額23万483円(令和6年度)
    ※「平均標準報酬43.9万円で40年間就業した場合」のモデルケースです。
  • 自営業の方と比べて、将来もらえる年金額が増える

▼ 障害を負ったときの保障

障害年金:病気やケガで 生活や仕事に大きな制限が出たとき に、収入を支えるために支給される公的年金です。
老齢年金の“老後の保障”に対して、障害年金は“現役世代のもしも”を支える制度です。

▼ 残された家族に対しての保障

遺族年金:家族の生計を支えていた人(厚生年金加入者)が 亡くなったとき に、残された家族の生活を支えるために支給される公的年金です。
老齢年金=老後 障害年金=病気・ケガ 遺族年金=万が一のときの家族の生活 という役割分担になっています。

 

【ひとこと💡】 「年金なんてまだ先のこと」と思うかもしれませんが、病気や事故で障害が残ったとき、家族が亡くなったとき、厚生年金保険は大きな支えになります。


③雇用保険 – 仕事を失っても再スタートできる

💼 どんな保険?

雇用保険は、失業したときや、育児・介護で休業するときに給付を受けられる保険です。

あなたの生活にこう役立つ

▼ 失業したときの支援

  • 失業給付金(基本手当):次の仕事が見つかるまでの生活を支えてくれる
  • ハローワークでの就職支援も受けられる

▼ 育児・介護で休むときの給付

  • 育児休業給付金・介護休業給付金など在職中の人が働き続けるための給付が用意されている
  • 育児休業中は、給料の約67%(半年以降は約50%)が育児休業給付金として支給される

▼ スキルアップの支援

  • 教育訓練給付金:資格取得やスキルアップの費用を一部補助

【ひとこと💡】 「子育てと仕事の両立」を考える方にとって、雇用保険は大きな味方です。キャリアを諦めなくていい選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。


④労災保険 – 仕事中の「もしも」を守る

🏗️ どんな保険?

労災保険(労働者災害補償保険)は、仕事中や通勤中にケガや病気をしたときのための保険です。

あなたの生活にこう役立つ

▼ 治療費の全額補償

  • 医療費の自己負担がない、傷病手当金よりも手厚い補償が受けられる
  • 健康保険よりも手厚い保障内容

▼ 休業中の補償

  • 休業補償給付:働けない期間の収入を補償

▼ 障害や死亡時の給付

  • 業務中・通勤中のケガや病気で亡くなったり後遺障害が残ったりした場合の、年金や一時金の給付制度も設けられている

▼ 保険料は会社が全額負担

  • 労災保険の保険料は、事業主のみが負担します。

【ひとこと💡】 労災保険は、あなたが保険料を払わなくても守られる保険です。「仕事中に手を切った」「通勤中に転んだ」など、思わぬ事故に遭ったときは、労災保険の適用を考えましょう。


社会保険に加入できる条件は?

「パートやアルバイトでも社会保険に入れるの?」という質問をよく受けます。

正社員の場合 基本的に全員が加入対象です。

パート・アルバイトの場合 以下のいずれかに該当すれば加入できます:

  1. 週の労働時間と月の労働日数が、正社員の4分の3以上
  2. または、以下の条件をすべて満たす場合:
    • 2024年10月からは、従業員数が51人以上の企業で一定の労働条件を満たす人も対象
    • 週の所定労働時間が20時間以上
    • 月額賃金が8.8万円以上
    • 2か月を超えて雇用される見込みがある
    • 学生でない

【ひとこと💡】 社会保険の適用範囲は年々拡大しています。「私は対象外かも」と思っていても、実は加入できる可能性があります。ご自身の働き方が変わったときや、不安なことがあれば、一度確認してみることをおすすめします。


まとめ

社会保険は、私たちの人生の様々な場面で支えてくれる大切な仕組みです。

  • 健康保険:病気やケガ、出産のとき
  • 厚生年金保険:老後、障害、遺族の生活
  • 雇用保険:失業、育児・介護休業のとき
  • 労災保険:仕事中・通勤中の事故

あなたのキャリアと人生を応援します

社会保険について、もっと詳しく知りたい方、ご自身の状況に合わせた相談をしたい方は、お気軽にお問い合わせください。(初回無料)

弊所は社会保険労務士事務所として、特に女性活躍推進や、若い世代の方々が安心して社会に出られるよう、一人ひとりに寄り添ったサポートを心がけています。

▼ こんなご相談をお受けしています

  • 妊娠・出産時の社会保険の手続き
  • 育児休業中の給付について
  • キャリアと家庭の両立に関する制度相談
  • 新社会人向けの社会保険セミナー

【参考資料】

  • 厚生労働省「社会保障とは何か」
  • 厚生労働省「我が国の医療保険について」
  • 厚生労働省「介護保険について」
  • 厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律の概要」

本記事の情報は2026年1月時点のものです。最新の情報は厚生労働省や日本年金機構のウェブサイトでご確認ください。

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