退職・転職のタイミングは、社会保険・年金・雇用保険の手続きが重なりやすく、必要書類もさまざま。手続きを忘れると給付や保険の空白が発生して、思わぬ損をしてしまうケースも。
新しい生活への第一歩を踏み出そうとしている人に、どうしてこんな煩雑な手続きを…と思わないでもないですが、どれも大切な手続きです。
今回は、退職から転職までの間にやるべき手続きを、“なぜやる必要があるのか”を含めて解説します。
私のような面倒くさがりな人でも活用しやすい、手続きチェックリストも作成しました。
それでは、爽やかに退職や転職を乗り切りましょう!
退職を決意したら
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- 退職の意思表示
→ まずは直属の上司に伝えるのが一般的。業務の引継ぎや人員確保、有給消化などにも時間を要するので、退職を希望する日から、2か月~1か月前には伝えておくと安心です。会社によっては就業規則等に期日を定めている場合もあるので要確認。(民法上では退職の申し出は2週間前までとされています。) - 退職願の作成・提出
→ 会社と調整のうえ退職日が決定したら、退職願を作成し提出します。書面に残しておくことで思わぬトラブル防止に。退職願の作成方法等は会社によってさまざまなので、就業規則や上司に確認をする。 - 離職票の発行を依頼・離職証明書に署名
→ 「離職票」は雇用保険の失業給付を受ける際に必要な書類。
発行には、会社の手続き(ハローワークに申請)が必要なため、離職票の準備をしてくれているかどうか確認すると安心。
また、離職票発行に際して「離職証明書」という書類が必要です。記入は会社がしますが、退職者本人の署名欄があるので、できる限り退職前に署名を済ませる。※その際、離職理由が正しい内容か要チェック!
- 退職の意思表示
- 退職後の住民税の支払い方法を会社に伝える
→ 退職後、普通徴収(自分で納付)するか、転職先で特別徴収を継続するか、希望を伝えておくと、会社での手続きがスムーズ。
- 健康保険(社会保険)資格喪失証明書の発行依頼 ※必要な場合
→ 退職後、国民健康保険に加入する予定の人は、加入手続きの際に必要になる書類。会社に「健康保険(社会保険)資格喪失証明書」の発行を依頼する。退職後に会社が手続きを行い、会社経由で自宅に送付される。
退職時の返却物
- 資格確認書(健康保険証)の返却
→ 今まで加入していた健康保険組合から脱退するため、退職日までに資格確認書(健康保険証)を返却する。家族分も忘れずに!
マイナ保険証を利用している方は、カードの返却は不要(保険の切り替え手続きは別途必要) - 社員証や名刺・キャビネットのカギ等、返却
→ 会社の規則に従って、支給されていた備品やデータなどを忘れずにスマートに返却。
退職時に会社から受け取る書類
- 雇用保険被保険者証
→ 雇用保険に加入していたことを証明する細長い紙。どうみても大切な書類には見えない質感と形状ですが、新しい職場に提出する必要があるので捨ててしまわないように。 - 離職票
→ 一般的には、退職後10日~1か月程度で退職者あてに「離職票1・2」の2枚が郵送されてくる。 - 源泉徴収票
→ 会社から支払われた給与や所得税などの情報が記載された書類。年末調整のために、新しい職場に提出する必要があります。 - 年金手帳/基礎年金番号通知書
→ 基礎年金番号が記載されている書類。会社が保管している場合は返却してもらいます。基礎年金番号は、厚生年金の加入手続きで必要。(マイナンバーでも手続き可) - 健康保険(社会保険)資格喪失証明書 ※必要な場合
→ 退職後、1~2週間程度で自宅に送付されるのが一般的。
健康保険の切り替え(いずれかを選択)
退職に伴い、今まで加入していた健康保険から脱退します。退職後もいずれかの健康保険に加入しなければいけないので、ご自身で手続きが必要です。すぐ転職しない場合は、空白期間が生じないように注意しましょう!
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- 転職先で健康保険に加入
→ 退職後、ブランクなく転職する場合。新しい職場で「資格取得手続き」を行ってもらいます。手続きに必要なマイナンバー(家族分含む)を提出。 - 国民健康保険に加入する場合
→ 退職後、国民健康保険に切り替える場合。手続きは市区町村窓口で行います。このとき「健康保険(社会保険)資格喪失証明書」を提出(退職後14日以内が目安)。 - 任意継続被保険者になる場合
→ 退職した会社の健康保険に、退職後も引き続き加入する場合。退職日以前に継続して2か月以上の被保険者期間があれば、最長で2年間継続ができます。退職日の翌日から20日以内に健保組合へ申請。 - 家族が加入している健康保険の被扶養者になる
→ 被扶養者になる条件を満たしていれば加入できます。家族の会社で手続きを行う。このとき、退職したことがわかる書類や、年間収入額を証明する書類など提出を求められます。退職前に、家族の加入する健康保険に条件等を確認しておくと安心。
- 転職先で健康保険に加入
雇用保険(失業給付)について
退職後、しばらく収入がない場合は、雇用保険の基本手当いわゆる「失業保険」を受け取ることができます。(受給資格を満たしている場合)
ご自身で手続きを進める必要があるので、離職票が届いたらなるべく早くハローワークへ!
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- ハローワークで求職申込
→ 離職票が届いたら、住んでいる場所を管轄するハローワークへ行き、手続きを行う。必要書類:離職票1・2・本人確認書類・通帳など。(管轄するハローワークの情報を参照してください。)
- ハローワークで求職申込
年金関係の手続き
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- 国民年金第1号被保険者に切り替え
→ 退職後、すぐに会社に就職しない場合などは国民年金(第1号被保険者)になります。手続きは退職の翌日から14日以内に市区町村で行う。
- 国民年金第1号被保険者に切り替え
- 配偶者の扶養に入る(国民年金第3号被保険者)
→ 配偶者の扶養に入り国民年金第3号被保険者になる場合は、配偶者の会社経由で手続きを進めてもらいます。 - 再就職先が決まっている場合
→ 新しい勤務先が厚生年金手続きを行うため、原則自分での年金申請は不要。
転職・再就職時の提出物(新会社)
- 前職の雇用保険被保険者証
- 前職の源泉徴収票(年末調整用)
- 健康保険・厚生年金の加入手続き書類(会社が対応)
扶養関係(家族がいる場合)
- 扶養の追加・削除手続き(配偶者の勤務先または新勤務先へ)
退職・転職時の申請チェックリスト(印刷用)
以下をチェックして進めてください。印刷して使う場合は、チェック済みを紙に印で残すと便利です。
| チェック項目 | 提出先・確認先 | 期限の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 会社へ | 就業規則を参照 | 一般的には1か月前まで | |
| 会社へ | 退職前に依頼 | 離職証明書に署名 | |
| 会社へ | 退職日まで | 普通徴収か特別徴収を継続するか伝える | |
| 会社へ | 退職日まで | 退職後1週間前後で自宅に送付される | |
| 会社から | 退職日 | 大切に保管 | |
| 会社から | 退職日 | ||
| 会社経由 | 退職後10日前後 | 離職票1、離職票2の2種 | |
| ハローワークへ | 離職票受領後すぐ | 必要書類を忘れずに | |
| 市区町村/健保組合等 | 国保は14日以内・任意継続は20日以内 | 空白期間が生じないよう注意 | |
| 市区町村/配偶者の会社等 | 退職後14日以内(国年) | 基礎年金番号/マイナンバーを持参 | |
| 新勤務先 | 入社日から | 会社が手続きを行うのが一般的 | |
| 新勤務先/配偶者の会社 | なるべく早く | 子や配偶者の保険に影響 |
まとめ
退職・転職は、書類や手続き項目が多く混乱しがちです。いざ手続きをするときに、必要書類を受け取ったかどうか慌てないためにも、期限と提出先を押さえたチェックリストをぜひご活用ください!
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※掲載内容は一般的なケースを参考にしています。手続き内容は個別ケースで異なる場合がありますので、必ず公式機関にご確認ください。



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